ホワイトデー
掲載日:2016.03.15
早朝の花茶で、「ねーさん、はい。」と白い小さな袋を手渡された。
何?と思う私にあっ君からのホワイトデーのプレゼントだと言う。
突然、世間の動きというのか現実の暦を知らしめられた衝撃に似たものを感じた。
バレンタインも雛祭りも私の暦からはすっかり忘れ去られて、「あっ!そうだったんだ。」と、思う時間の流れの中で過していた。
もちろん、あっ君にプレゼントをした訳でも無い。
10歳前後の少年が、私を気遣って喜ぶ事をしてくれているというその気持ちに心が打たれた。
「タツオさんのピザでなく、ねーさんの作ったものを食べて美味しいと言う事が、ねーさんが一番喜ぶんだよね。」
いつの間にか大人になっているあっ君。
プレゼントのお菓子はとっても嬉しかったけど、あっ君の気持ちが、もっと、もっと嬉しいプレゼントだったよ。
君の喜ぶ笑顔で、お迎えするね。