すぐ死ぬんだから
掲載日:2023.11.09
びっくりタイトルに驚ろいたかもしれませんが、これは本のタイトルですよ。
内館牧子さんの、もうすぐ80歳に手が届くと言う女性の生き様を描いた小説があまりにも面白くて痛快だったので、ちょっと触れてみたくなりました。。
略、実年齢も近い私も思うところが似ていて、内館牧子さんも実際そういうご年齢であることも女性の意をついた作品だと思います。
面白くて読んでいると所々に覚えのある節があって、その先の展開が読み取れていく…初めて読むような新鮮な気持ちで読んでいるのに、もしかしてこの本、読んだこと有る?と自問自答しながらでしたが、再読であっても面白かった。
老いを認めつつ、それでも外面を磨いていくと言う老女の心境は、女性ならわかる筈。
着飾ったりお肌の手入れを怠らなかったり、実にご立派なのですが、身体的な衰えは隠せないのだけど素直にその部分は認めている。
衰え、弱くなる事を受け止める品格を持ことが、美しく老いる事へ繋がると、内館さんは書いている。
「スキンケアは、自らを慈しむ行為であり、安らぎと共に癒される。
メーキャップは自らを飾る行為であり、社会と対面する励みになっている。」(文章の引用)
作者も言っているけど、慈しむことで自分の体への意識を持ち、そして、自分を着飾ることで社会に存在している事を自覚する、その励みになる。
年だからともういいとか、自分にはオシャレは関係ないと思うのでなく、気持ちの持ち方や身なりを整える事で”意欲”が、現れる。
うまくまとめられ無いけど、自分をあきらめず社会への意識も持って、生きていきたいなぁと思いました。
我が家の庭の銀杏木は、今年の全盛期を終えて終演の美しさを輝き放っています。
在りし日の姑の植えた木で、老いを迎えて過ごしていた姑の姿も思い出されます。