イチョウの実
掲載日:2018.11.05
紅葉の季節も過ぎようとしているけど、我が家の庭は赤い紅葉とイチョウの黄色が色鮮やかで紅葉真っ盛り。
朝、眩しいくらい庭が燃えている。
今朝、早々に機械音がして、ハッと庭に目をやると案の定、庭の落ち葉の片付けが始まっていた。
こんなに綺麗なのに…と思いながらも、「来春の手入れの為にもイチョウの落ち葉は今のうちに片付けないと、この葉枯れないので大変なんだよ。」と、言われれば文句どころか感謝しかない。
慌てて、写真だけ撮る。
このイチョウの木は、姑が確か70歳後半の高齢の頃、絶対実がなる!と言い切って植えたもの。
30センチほどの小さな苗木をもらってきて、絶対実がなる!と信じていた。
何年先を楽しみにしているのだろうと80歳にもうすぐという姑のイチョウに託した夢や楽しみに少々呆れたり、凄いな!と感心した事を覚えている。
かなり大きな木に成っても実が生らず、やっぱり成らないのか、いや絶対生るとか秋が来るたびに繰り返す姑との会話。
残念なことに姑は、銀杏を見ることなく93歳で他界してした。
それからもう20年、イチョウの木は大木なって我が家の主になった。
今朝、落ち葉を片付けていた髭さんが、実が生っている筈だと言い始めて、まさかと思う私に自信ありげに繰り返して言う。
生っていたんです。
8個見つけてテラスへ置いてありました。
姑が生きていたら、どんなにか喜んだだろう。
いや、きっと空の上から庭のイチョウの木を見て、得意げに喜んでいるだろう。
後始末の仕方はこれから調べるとして、一先ずお仏壇にお供えしよう。
「あたしは、絶対生る!と思っていた。」と、言う姑の声が、生々しく聞こえてくるようだ。