故郷の山
掲載日:2002.12.15
「ふるさとの山に向かいて、言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな」
こんな言葉が、つと口に出る故郷へ行ってきました。
歳をとるにつれて「ふるさと」の重みは大きくなるものらしくて、私の中のふるさとも若い頃に比べるとずっしりと感じられる存在です。
幼馴染の友人や近所の同級生といつものように会っておしゃべりして楽しかったことは勿論のことですが、今回は思い切って子供の頃遊んだ山や川を歩いてみました。 暑い夏の日泳いだ川谷がこんなに小さかった?この道も幅広く感じていたのに…とか見慣れた野草のひとつまで懐かしく感慨深いものでした。
のんびり、のんびりとほぼ1時間近く歩いた先は、新高梨の木が一杯の山。子供の頃”おおなろ”と呼んだ小さな山です。そこで、子供の頃お世話になったおじさんに思いがけずお会いできました。1本の木に1個1キロの新高梨が1000個以上実るという話や、おじさんがこの梨と共に生きてきた人生が本になったという話を聞いて、ものすごい感動もしました。
春になるとこの山で採れるおじさんの作った土佐文旦とおじさんの本が送られてくるはずです。楽しみに待っています。