釜茹でトウモロコシ

掲載日:2018.08.11

長く続けて来たものだと思うトウモロコシの釜茹で。 
今年もまだ?と、お客さまに急かされて来たけど、畑の仕事に追われて準備が出来ず、やっとのことで今日から始まりました。 

確かな記憶ではないけど、イチゴ狩りを始めたころから、スタートしたから約30年続けているんだ。 

トウモロコシが大好きな私で、こんな美味しいモノを沢山の人に食べてもらいたい、特に北海道へ遊びに見えた人たちにと思ったのがキッカケでした。 
当時、「北の国から」というドラマが影響して、我が家の前の国道337号線は、富良野へ向かうドライバーが多く、この時期は交通量も多かった。 
自転車を漕いで旅する学生やバイク族、今よりももっとシンプルに旅を楽しむ人たちが往来する国道でした。 

自衛隊の人たちが運んできてくれた大きな釜。 
国道の脇に設置して、トウモロコシを湯掻いて売ることを始めた。 

予想以上に反応が良くて、面白いほど売れた。 
お客さまとのコミュニケーションも愉しかった。 

”今年が最後のツーリング”と、毎年言いながら見えていた高松のオジサンは、支笏湖でキャンプしてはトウモロコシを食べに来てくれた。 
自転車旅行している途中で子犬を保護し、自転車籠に入れて旅していたら、籠にやっと入る大きさになってしまったとワンちゃんを連れての一人旅の京都の青年。 
犬連れでは宿泊できないからとトウモロコシを売る小屋で犬と一緒にお泊りして、又、旅立っていった。 

お客さまに、私の叶わぬ夢を語り続けて、それが叶った時「母さん、夢を叶えたね。」と、花茶へ飛び込んできて喜んでくれたオジサン。 
みんなお名前も知らない旅の途中のひと達だけど…。 
30年の歳月の間には、色んな物語が生まれて、ぐつぐつと湯気を上げている釜を見ていると走馬灯のように思い出された。 

トウモロコシの釜茹でスタイルは、30年変わらない。 
変わったのは、この大きな釜が自家用のモノに成った事と私の手を離れて次世代に受け継がれたこと。 
毎年、運んできてくれた自衛隊さんも、今はきっと優しいおじいちゃんに成っているだろうな。 

今日は、孫娘もお手伝い。 
「トウモロコシいっぱい売れたよ。」と、笑顔を向けてくれた。