おかあさん
掲載日:2011.03.16
結婚するまで私は世間知らずの娘だった。
20歳の頃、私は釧路の友人の処に1週間くらいの予定で遊びに行ったのだが、そのまま居ついて3ケ月以上居候していた。
今、あの頃の友人のお母さんの歳になってみて、よく私を長い間住まわせて、可愛がってくれたものだと感心する。
迷惑をかける事など、全く気がつかない「、居なさい、居なさい。」という言葉を素直に受ける娘だったのだ。
3ケ月の間、友人と時間を過ごすよりもお母さんといる時間が多く、一緒にお隣さんへお茶飲みに行ったり、買い物、銭湯もいつも一緒だった。
掃除も料理も二人でした。
私の母は、私に料理は教えてくれなかったから、、私は、友人のお母さんからいっぱい習得したと思う。
中でもコロッケは、得意な料理のひとつになった。
そのお母さんの悲報を聞いて、釧路へ走った。
「美恵子が来ると、母は、可愛い娘が来たという嬉しい顔をするの。その母の顔を見たくて、私はアンタを呼ぶの。」と、帰りしなに友人がつぶやいた。
祭壇の温かい愛情に満ちた笑顔のおかあさんを見つめながら、私は「おかあさん」と、ずーと語り続けていた。
私もおかあさんの様に慈愛に満ちた笑顔の女性になれるように努めますね。ありがとう。