散るぞ 悲しき
掲載日:2006.04.12
その日、私は南の島へ向かっているはずでした。
吹雪で欠航になり、仕方なく帰り着いた我が家で待っていた一冊の本がノンフィクション「散るぞ 悲しき」でした。
戦争の時代を運命という言葉で片付けてしまうには、本当に過酷な背景。生身の人間が、この国を守るという使命感だけで身も魂も注ぎ込んで戦っていた時代があった事実を、忘れている私達です。
戦争を知らない世代として、どこかで語り伝えていかないと、再び非人間的な歴史を歩む時代が来そうで怖いです。
今日、「散るぞ 悲しき」が大宅賞を受賞したよというお知らせのmailが入りました。そういえば、映画化も決定したとか。
作家は、北大卒の梯さんということも、身近に思えて嬉しい。
南の島へ渡る寸前に、この本と出合い、あの蒼い海に哀悼の気持ちを捧げて帰って来られて良かったと思います。