自叙伝画
掲載日:2017.03.15
前回の日本画を描く叔母の自叙伝のような絵画です。→
叔母と言っても母の従妹に当たる人ですが、幼いころから密に行き来した私は、”おばちゃん”と呼んでいました。
母も4人の従妹姉妹と仲良くて、姉妹のように育っていたようです。
この絵には、おばちゃんのこれまでの人生が描かれているのだそう。
仲良しだった女の子。
お花が大好きだったこと。
いつも、鶏相手に遊んでいたとのことで、叔母の絵には鶏が描かれている物が多かった。
運動会のリレーで一番だった事や神社の夏祭りに行きたかったのに、貧乏で行けなくて…。
仲良しの女の子は、お祭りに行くので行きたい、行きたいとねだったけど、電車賃が無い。
女の子の乗っている電車の後ろを走っていくから行かせて欲しいと親を泣かせた話。
飛行機恐怖症だったけど人生でたった一回北海道へ飛行機で行ったという。
ひとつ、ひとつ構図を指して、「この絵に私の人生が凝縮されているがよ」と、話してくれた。
貧乏でもっと勉強したかったのに上へ進学できなかったというおばちゃんは、通信教育で高校卒業書を得た努力家です。
その努力が、県展での特選に結びついたのでしょうね。
人には、それぞれ誰もが自分の生きてきた道が有って自叙伝も作れるはずです。
おばちゃんは、絵画の中に自叙伝を記しているんだと思いました。
人に伝えられる手段を持っている事を素晴らしいと思う。
私の母にも戦時中の苦難の中を生きてきた自伝があったはず。
でも、多くは語らず、未来の話をしてくれた人でした。
幼い頃、美恵さんが高校生くらいになったら、あの飛行機で旅行できる時代になるよと飛行機を見上げて言った情景が今も忘れられない。
それでという訳で無いけど、飛行場のある街に嫁いでいる私。