お花に囲まれて

掲載日:2017.01.28

実家から帰ってきて間もない20日の夜、母危篤の知らせが届いたのと同時位の時間差で他界したと電話が入りました。 

翌日、物言わぬ母と対面した時、余りにも安らかで幸せそうな顔をしていて、「あぁ、良かった。お母さんは、幸せな気持ちで旅だったのだ。」と思えました。 

90歳で逝った母は、母の家系からみると一番長生き出来たように思います。 
100歳まで生きると言ってはいたけど、病名もなく、痛い事もなく老衰という形で旅立った母は、幸せ者と思います。 
「安らかに眠るように旅立ちましたよ。」との主治医の言葉に、母は、天寿を全うしたのだと思いました。 

斎場で5日間、私と娘と母と共に過ごしました。 
遠くへ嫁いで親不孝をした分の時間を暮れからのひと月の間に埋め尽くせた濃い時間だったと思えます。 

通夜までの4日間の間、親類縁者は勿論の事、子供たちや孫ひ孫が集まって、アルバムを広げて、母や父の話に盛り上がって楽しい時間も過ごしました。 
通夜には似つかない斎場での家族の時間だったけど写真の母は、嬉しそうな笑みを浮かべています。 
「おばあちゃん、喜んでいるね。」 
遺影の母を見上げて皆がそう言えました。 

哀しみばかりでなく、思い出話に盛り上がることも母を送るにふさわしい情景だったと思っています。 
きっと、天国では夫が母を迎えに出向いて手を引いてくれているでしょう。 
ありがとう、お母さん。